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ウルフドック

【埼玉県愛犬家殺人事件の真相】

髙 田 耀 山

りアフリカの動物で手に入らないものはないと豪語していた。

この頃、高田組の代行である遠藤が、用心棒になった。私は、遠藤を通じてライオンやベンガル虎を購入し、ライオンは元の親分である上州田中一家の大澤孝次総長の姉さんへプレゼントし、ベンガル虎は埼玉県の猛獣を飼うための条例に元づいて十坪の檻を造り、条例の指定した鉄金と網をフンダンに使用したものであった。

関根と新井・博子は有頂天になっていた。

(動物のことで、我々に出来ないことはないと・・・)

毎日、関根と新井は夜の熊谷市や太田市に出かけて行き、ナイトクラブへ出入りをして浴びる程、ミーマルタンを飲み気前良くクラブのホステスにチップをばら撒いた。

博子はダイアや指輪を買うのに飽きたとみえ、到頭ホストクラブ通いをしてホストに金を注ぎ込んだ。

懲りもしないで、再び外国の犬で儲けた金を使い始めた。金は無尽蔵ではない。気が付いた時には、アフリカケンネルを経営する為の金がなくなっていた。

金を生むのは、現在犬舎にいる珍しい犬だけである。

関根は考えた。今家で一番高く売れる犬はどれだろうと暫く、腕組をしていて腕を解いて右手で腿をポンと叩いた。

(ローデシアン・リッチバックが雄雌いる。これならこの辺には絶対居ない犬だから、高い値段で売れる。ブリーダーとして子を獲れば高値で引取ると言う宣伝文句謳えば、引っかかる馬鹿が居るだろう・・・)

幾らにもならない犬を売りながら、チャンスが来るのをじっと待っていた。

飢えた狼が、獲物の来るのを身動きしないでじっと待っているように・・・