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任侠寺

やくざ和尚権山



高田よう山

坊主を軽トラの荷台に

クラブ館が閉店になる直ぐ前に壇子は、鼻声を出して崎山に甘えた口調で御願いをした。

「会長さん。壇子、江南にあるレジャーハウス美松に行ってみたいの連れていってよー」

崎山はレジャーハウス美松と聞きエレクトしっぱなしの坊やが、萎えてしまった。レジャーハウス美松は、自分が住職をしている静簡院の斜め前にあるからである。一瞬ためらったが、密壇子の化粧で作られているとも知らない顔の美しさとナイスバデーの虜の成ってしまっているから、レジャーハウス美松に行く事を断ることができなかった。

「レジャーハウス美松と言うラブホはそんなにいい所かい。君が連れて行ってと言うなら、儂のセルシオの横に、乗せて連れて行ってやる。後の事は解かっているのだろうね」

佛教で言う五欲の一つである愛欲に、どっぷりつかっている崎山和尚である。

「会長さん。わ・か・っ・て・い・ま・す・よ」

既に、気分が好いので、ブランデーを壇子と一本空けてしまっているが、崎山は江南の的屋の新井八五郎親分から、現金で買った二人乗りのレクサスのハンドルを握った。

一般人が酒を飲んで、運転をすることは禁じられている。然し、崎山静簡院は檀家総代が、熊谷地区地域連合会の会長でもあるのだから、宗教法人が無税の様に警察権の及ばない治外法権でもあるのだ。

ブランデーを飲んだのとこれから、壇子を抱けると思うと崎山の気持ちが流行り、レクサスは、時速一五〇キロでレジャーハウス美松を目指して、小川県道を飛んで行った。まるでイスタンブールに飛んで行くように、

「一番奥の部屋は、野天風呂が付いているから、会長さんそこにしましょうよねー」

「いいとも・いいとも・君の好きな部屋に行くよ」

静簡院住職のこんな姿を見たら既に、逃げ出している檀家信徒はそれに輪をかけて、逃げ出すのに違いがない。崎山は曹洞宗であるから俗にいう禅宗である。禅宗では現生で修行を怠れば、地獄に堕ちて閻魔大王に鉄熱丸を飲まされて、飯代を請求されると言われている。

六道の地獄畜生道へ自分が、堕ちているとも解からないで崎山は壇子の言うまま、奥の部屋の車庫に、エロい期待に胸を膨らませて、レクサスを止めた。

この先に、本当の地獄が待っているとも知らないで、壇子の豊満な胸と尻を交互にさすりながら、部屋のドアの中に入った。部屋の天井裏に壇子の彼氏でもあり、田高一家権造親分の腹心でもある杉浦兎一が、忍んでいるとも解からないで・・・

部屋に入ると崎山はいきなり、壇子をベッドに押し倒した。

「待ってよ。服を脱ぐから、この助平かいちょうさんは・・・」

壇子は面倒くさいから、下着ごとまとめて脱いで全裸に成った。崎山は下がった眼尻をそれ以上に下げて涎を垂らした。

壇子はキモイと思った。

然し、壇子の全裸を見て胸を高鳴らせ興奮したのは、崎山だけでは無かった。天井裏に潜んでいる壇子の彼氏、杉浦の坊やがエレキとしてしまい、天井を貫いてしまったのである。

「しまった。俺が天井にいる事がばれた」

と思ったが、壇子の体に武者振りついている崎山は、気づかなかった。崎山の下に成っていた壇子は天井から見覚えのある物が突き出たので、やばいと思った。

(あんた。何をしているのよ。もう少しだから我慢をしてなよ・・・全く)

一八号台風のような激しさの崎山の攻めを受けて若い壇子も本気になってしまった。気が気でないのが天井裏にいる杉浦である。これ以上、監視をしていられないと考えて携帯を取り出して田高一家本部に電話をかけた。

電話を受けたのは、島田孝三で未だ、帯広の刑務所を出てきたばかりのものである。直ぐに、総長代行である田高好人に報告をした。代行は事務所にいた三人ばかりの若い者を連れレジャーハウス美松の向った。

レジャーハウス美松の壇子が崎山とラブラブをしている部屋の前に行くとドアを足蹴りにして、崎山を呼び出した。

「静簡院のエロ坊主出て来い。家の杉浦の女と寝ているとは英^じゃねーかよ」

その声を聞き崎山は天上天下唯我独尊とばかりに、屹立していた坊やが、一気に萎えて梅干しのようになった。

天井裏で監視していたすぐ裏は自分の彼女が、崎山と交わっているのを見ていて、我慢ができずにいたので、代行の声を聞くと天井を足で蹴破り部屋の中に下りた。

「俺の女を寝取ったな静簡院!事務所まで来て貰おうか」

「南無阿弥陀仏・南無阿弥陀仏・南妙法蓮華経・南妙法蓮華経・仏様お助け下さい」

毎日の本堂でのお勤めを真面にしていない者が、幾ら、佛に縋ってみても仏は助けてくれない。

崎山はその儘、後ろ手に手錠をされて、杉浦の軽トラックの荷台に繋がれて指呼の間の田高一家の本部事務所に攫われていった。

 

 

 

静簡院の跡目と成る

五分も経たない内に静簡院の住職の崎山は丸裸にされて、田高一家本部の道場の天井に吊るされていた。

「お助け下さい。神様仏様」

それを聞いた田高一家の総長である田高権造親分は、心の底から怒った。

「馬鹿野郎!てめーは坊主じゃねーか、坊主が神様のねーもんだ。これから、みっちり焼きを入れて静簡院てめーの根性を叩き直してやるぞ。覚悟をしておけよ」

「総長。わたしが悪うございました。反省をしていますのでご勘弁をして下さい」

「反省するのは猿でも出来る。おめーは片輪に成って貰うぞ。杉浦道具を持った来い」

「はいっ、総長解かりました」

そう答えて道場から出て行った杉浦は考えてしまった。

(警察の締めだしがきつくて、拳銃や刀は持つなと言われているのに、総長は道具を持ってこいと言う如何したら、良いのだろう・・・)

代行の所に行き総長が道具を持ってこいと言っていますが、何を持っていったら良いか良いのか聞いた。

「杉浦・自宅に行って羽のついている誇り落としでも持って行け、親分はそんなものでもうまく使うぞ」

杉浦は急いで自宅に入り応接間の置いて有る。骨とう品などの埃を払う鳥の羽がまとめてついている誇り払いを持って、権造総長の所に行きそれを出した。

「総長、道具を持った来ました」

権造は誇り払いを見て一瞬首をかしげたが、禅的解釈をしたのか、にっこり笑い頷いた。

「杉浦、お前も出来るようになったな。でもよーこれより、モップの方が、汚れは取れるぞ」

権造総長が、難しいことを言うのは毎日であるので傍にいる杉浦は、大概の事は解っているが、モップの方が、汚れが取れて良いと言う言葉は理解できなかった。

誇り払いを手にした権造総長は、誇り払いを天井からつるされている静簡院の住職の崎山の体に向かって青眼に構えた。

「欲タカリ坊主、覚悟は出来ているな!」

崎山は拳銃か、刀を突きつけられると思っていたので、ひょし抜けをしてしまった。更に、権造いう総長は、馬鹿ではないかと思った。そうした自分の考えが、間違いであると気づいた時は遅かった。

「脇の下から行くぞ、静簡院!。あっ、ほれ・ほれ、くすぐったいだろう。それとも気持ちがいいかい。和尚さん」

「あっ、うん、あふんっ、あーあーあー」

権造総長は、崎山の叫び声を聞きながら、この爺いは変態野郎じゃあないかと思った。

(面白うじゃねーかよ。今度は乳首を擽してやろう。どんな泣きを入れるのか聞きてーよ・・・)

「次・行くぞ、おめーのおっぱいを、ほれっ、ほれっ、ほれっ、気持ちがいいだろう。どうだ。極楽浄土に行った様だろう」

「あふん、あふん、あふん。ぎもじいいーよ。もっと、もっと」

「馬鹿野郎!その気に成るんじゃねーぞ。おめーは御仕置を受けている身だ。もっと真摯な態度で、御仕置をうけなければだめだぞ」

崎山は既に、最高潮の気分になり、坊やがエレクトしてしまっていた。それを眼にした権造総長は、誇り払いを逆さまに持つと竹で出来ている柄を指でしならせて、崎山の坊や目がけてぱちんとちんこを弾いた。

「ひゃー、痛い。ごめんなさい。ごめんなさい」

傍で見ている杉浦が、崎山の坊やを見ると今まで変態ではないかと思える位、エレクトしていた物が、委縮してしまい、小学生が先生に叱られた時の様に項垂れていた。

権造総長は、それを眼にすると惻隠の情が湧いてきた。そして、今度は、坊や近くに誇り払いを当てると擽りはじめた。

「あっ、ほれ・ほれ・ほれっと、気分は如何だね静簡院」

又直に、坊やに誇り払いが触れない内に、崎山はウルトラマンが、変身するが如く坊やをエレクトさせてきた。

「この野郎。直ぐに気分が変わる野郎だな。『平常心日々是道場』という禅の言葉を知らねーのかよ。弱った野郎だ」

権造総長の攻めは呵責なく崎山の坊やの頭まで攻めた。崎山は絶頂に達して射精してしまった。

「この色気違いめ。ほれっ、ほれっほれっ」

躊躇い無い権造総長の攻めを受けて、射精した山崎の坊やは又、エレクトしてきた。

権造総長は崎山を誇り払いで攻めるのが、馬鹿くさく成ったので誇り払いを投げ出して杉浦に命じた。

「この変態野郎を天井から、吊るした縄を解いてやれ」

権造総長の命令を聞き杉浦は、天井に吊るされた崎山を下して、手錠と縄を解いてやった。

崎山は興奮が冷めず、物足りない顔つきをして、権造総長の前に正座をして、手を着き、自分から言葉を発した。

「権造総長、有難うございました。お蔭様にて愚僧の隠しておいた性癖が、暴露されてしまいました。これでは今後、静簡院の住職として、斯様な性癖を隠して、金儲けは出来ません。どうか、総長・あなたを私の跡目に決めましたから、お受けください」

権造総長は、崎山が何をとち狂ったのかと思った。同時に坊主に成り残りの人生を楽しむのも面白いではないかと思った。

「静簡院、俺が跡目だと俺は坊主の事は全く解らねーぞ」

権造総長は、禅についてはその辺の坊主名は、負けないと言う自負があったが、それを韜晦して崎山に言ったのである。

「私は、総長が、平常心日々是道場と言う言葉を吐いた時に、只者いではないと思いました。私が出来るのですから、総長に出来ない事はないと思います」

権造総長はそれもそうだと思い。調子づいて崎山に返事をしてしまった。

「それじゃ俺が、静簡院の跡目に成ってやろう。おめーは引退だな。引退したら如何するのだ」

崎山は正座をしているが更に、居住まいを正し権造総長に懇願した。

「御願いがあります。私が手を着けた杉浦さんの彼女の蜜壇子を私に下さい。お金なら幾らでも出しましから」

権造総長は魂消てしまった。それは崎山が、女房の他に元仏壇屋の二号がいるのに、更に、蜜壇子を自分のものにしたいと言う、あくなき野望じゃない、あくなき性欲にである。傍にいる杉浦を見ると杉浦は悲しそうな顔をしていた。そこで、権造総長は崎山に提案した。

「蜜壇子は杉浦の女だ、女がいなくなった杉浦は寂しいのではないか」

「総長、坊主丸儲けと言うじゃありませんか、今まで沢山のお布施や寄付を頂いたので、お金には不自由をしていません。杉浦さんには三千万円を差し上げます」

それを聞いた杉浦は、細い眼の眼尻を三十八度くらい下げて、にこにこ笑いだした。権造総長が、聞くまで見なくダボハゼではないが、直ぐに食い付いて来た。

「和尚さん。蜜壇子は呉れてやりますよ。但し、後で文句を言わないことが条件ですぜ」

権造総長は、こいつらは何を考えているのだろうかと、不思議そうな顔をした。

(杉浦は現金な奴だな。この静簡院の坊主も完全に色道地獄に堕ちているな・・・)

腕を組んでこの馬鹿奴らは何えお考えているのだろうと小見追っていると今度は、崎山が権造総長に向って真剣な顔をした。

「総長、私が、出入りの反町石材店に経営を任せている造園の権利を差し上げます。この利益が毎月かなりの額が上がりますから、女を囲ったり、夜の街に出て行き高級クラブで遊んだら良いでしょう」

それを聞いた権造総長は、崎山が『塀に中の懲りない面々より』懲りていないと考えて唸りつけた。

「馬鹿者!崎山糞坊主お前は阿部譲二より、懲りていない無神経な野郎だ。これ以上口を利いて、俺のデリカシーを傷つけるなよ」

こうして、田高一家初代総長である田高権造は倅である田高好人に跡目を譲り引退をして、残りの人生を面白おかしく生きる為に、曹洞宗龍谷寺・静簡院の住職に成るの出るが、今後、本物の住職に成る為の難問が続出するのである。